歯の表面(エナメル質)だけの初期の虫歯なら、穴が空いても痛みはありません。
しかし虫歯が進行し、内側の象牙質まで到達すると、冷たいものや甘いものを食べたときに、しみたり痛みを感じることがあります。
さらに奥の神経にまで進んでしまうと、日常生活でも痛みを感じます。進行具合によっては夜眠れないほどの痛みを感じることもあり、ここまで進行すると早急に治療する必要があります。ほとんどが歯を削って被せ物をしなければいけないため、治療にも時間がかかります。
初期の虫歯なら治療も早く終えることができるので、歯磨きをするときは歯のチェックを行い、虫歯がないか目視でも確認しましょう。
生まれたとき、私たちの口内に虫歯菌はいません。多くは幼い頃にお母さんやお父さんから感染ります。虫歯は感染症の一種なのです。
虫歯菌の中でも代表的なミュータンス菌は、食べ物や飲み物に含まれる糖分を餌にしています。ミュータンス菌は増えると歯垢(プラーク)に棲みつき、酸を生成して歯のカルシウムイオンやリン酸イオンを溶かします。
酸は唾液で中和することができ、中和されると唾液の中のカルシウムイオンやリン酸イオンが歯に戻ります。口内は唾液により守られていますが、ドライマウスで唾液の分泌量が少ないと酸が勝ってしまい、歯に穴が空いて虫歯になります。
虫歯や歯周病が重度化すると、抜歯を検討しなければいけなくなる場合があります。しかし抜歯するとその部分の歯を支えていた顎の骨が痩せたり、お口全体の噛み合わせが乱れたりすることがあります。そうしたことを防ぐために、できる限り抜歯を回避する治療が「根管治療」です。
根管治療とは、「根管」と呼ばれる歯の神経や血管が通っている細い管の中から、死んでしまった神経や汚染された組織などを取り除き、清掃・消毒して薬剤を充填することで、歯の保存をはかる治療です。根管内に細菌が残ってしまうと病気の再発を招くこともあるため、精密な処置を行うことが重要となります。
親知らずとは、歯列の一番奥に生える歯のことで、「第三大臼歯」といいます。一般的に18~20歳ごろに生えてくるとされていますが、人によっては生えてこない場合もあります。
親知らずが正しい方向に生えていて、上下の噛み合わせに問題がない場合は抜歯する必要もないと考えますが、斜めや横向きに生えているために痛みが生じていたり、適切なブラッシングが行いにくく親知らずそのものや、隣の歯の虫歯の原因となっていたりするような場合には、抜歯することをおすすめしています。
当クリニックでも親知らずの抜歯に対応しておりますが、こちらで抜くことが難しいと判断した時には、専門医を紹介させて頂きます。